東京市民テレビジョン放送

東京市民テレビジョン放送開局のご挨拶東京市民テレビジョン放送


皆さまはじめまして、東京都の多摩地区、国立市、中央線の国立駅と南武線の谷保駅、どちらに行くのも同じくらいの距離にある、東四丁目、三小通りに面したアパートに住んでおります、藤原 健一と申します。

生まれは東北・宮城県の矢本町(現・東松島市)という航空自衛隊・松島基地がある太平洋に面した小さな町です。
家は田んぼの真ん中にある長屋でした。
周囲が静かな環境だったせいか、小学校に入った頃から「この世とは何か、死とは何か、永遠とは何か、時間が過ぎていった後にこの宇宙はどうなるのか」などと哲学的なことを考える早生な子供でした。

とくに死後についての恐怖を持っていて、みんないつかは年老いて死ぬし、やがては人類も地球も太陽系も滅びるし、宇宙もどうなるかわからない。
その時この世はどうなってしまうのか、そして我々が今生きている間にする全ての行為はただただ虚しいだけなのではないか、という考えに陥ることがこの頃から今までずっと続いていて、まだその答えは見いだせません。
テレビっ子だった私は、大好きなマスコミについても、その役割をある程度理解していたようで、ある日、本当に大の仲良しの友人のかんじ君という子の父親が不幸にも交通事故でお亡くなりになってしまったんです。
小学二年生だからきっと若いお父さんだったと思います。
その事故の記事は地元の河北新報という新聞に載ったのですが、私はその友人をなぐさめるつもりで「かんじ君、 おとうさんの記事が書かれた新聞、みんなの家に届いてるよ。みんな、どんなに悲惨な事故だったか知ってるよ。 だからみんなで一緒に悲しんでいるよ。」
と言ったことを鮮明に覚えています。
父親が航空自衛官だったため、転勤で沖縄に行くことになった日、鹿妻駅の切符をちぎって二つに分けて「これが友達だったしるしだよ。」と誓って別れました。

沖縄の私立大学を中退したのち、航空自衛官を経て東京の日本テレビという放送局で文字放送の送出業務をしておりました。
当時、毎週月曜の8時から「Gスタジオ」で生中継されていた歌番組は相当な人気で、歌手の「出待ち」の女性がたくさんいる中を縫って局を出る時は、ちょっと自分もスター気どりになったものです。
まあ、間違えてキャーキャー言われたことは一度もありませんが。
退職後、放送関係ではない職を渡り歩いておりしまたが、メディアへの憧れが再燃し、製作会社で番組制作に携わるようになりました。
制作の過酷な現場は、本当に様々なことを学ぶことになりました。
主にドキュメンタリー番組やバラエティー番組番組を制作していたのですが、まず最初にやらされた仕事は、取材先との交渉業務、いわゆるリサーチャーでした。
これが大変に地味で、かつ重要、かつ難しい仕事で、いわば番組スタッフの「切り込み隊長」という役割です。
つまり、プロデューサーから与えられたテーマに基づき、最も適した取材先を探し、その取材先についてリサーチ(たとえば著書や論文があれが片っ端から読むなど)、やはりその取材先がその番組のテーマのオーソリティーであると判断した場合、電話連絡して番組の趣旨を説明し、出演依頼、企画書のFAX、取材可能日の調整などを行うもので、一番最初に取材先にコンタクトをとる役目なのです。
全くテーマの異なる番組をいつも3本ほど抱えておりまして、新宿の風俗と地下鉄サリン事件とラーメン屋特集の同時進行・・・なども珍しくありませんでした。
また、収録が終われば頭をリセットしてまた次のテーマについて国会図書館で資料集め・・・など、知識を入れては白紙に戻して、また詰め込む、という作業の繰り返しでもありました。
そのリサーチャーという仕事の中で、とても苦心したことに、取材先とコミュニケーションを取ることの難しさ、がありました。
番組の趣旨をいくら的確に説明しても、それぞれの思い描く、完成するであろう番組イメージが一致することはありえない、というのが私の持論でした。
トラブルのほとんどは、双方のメディアリテラシーの欠如。
そしてその問題は永久に解決しない、と絶望していました。
そして、その仕事も辞めてしまいました。

それから3年がたった2010年の正月明け、偶然、ネット上で中央大学の松野良一教授の下の記事を見つけました。

「人間とは何か」を撮る-大学でなぜ番組制作を教えるのか?


陳腐な表現ですが、後頭部を金づちで殴られて、目から火花が散った気がしました。
そして、その火花の放つ煙が、じょじょに目の前からなくなっていきました。
その記事には、大学生がゼミで映像製作実習を行う中で、取材先で様々な苦労をしながらも、人間模様を伝えるために努力し、成長していく様子が手に取るように分かるものでした。
メディアリテラシー教育のための映像製作が、他の様々な能力の育成にもつながる。
そう確信するに十分な記事でした。
長年の答えを探し当てた喜びもあって、しばらく、涙がとまりませんでした。
私も、松野教授のように番組制作を通して疑問、苦労、怒り、悲しみ、喜びの全てをみんなで分かち合いたい。
そのために市民メディアを立ち上げよう、と決心したのです。
その後、「総合政策研究第16号(中央大学総合政策学部刊・2008年2月)映像製作活動でどんな能力が開発されるか?メディアリテラシーの概念を超えて、松野良一・大塚彩香」の研究論文を読み、映像製作活動には「映像を批判的に読み解く能力」、「コミュニケーション能力」、「表現力・想像力」、「身近な社会への感心」を向上させることがわかりました。

東京市民テレビジョン放送は、市民が自ら製作した番組を番組インターネット版パブリックアクセスチャンネルとして放送することを大きな目標としています。
そして、市民に能動的に番組制作に参加してもらうことで、上記研究の能力向上のほかに、番組制作を通してアサーティブにディスカッションやディベートをする方法を身につけ、表現することの素晴らしさを感じていただき、また、市民が地域に密着した取材活動を行うことによって、自分の住む街の素晴らしさを発見し、そこに誇りを持つことが出来ると信じております。
ハーバーマスは、あくまでも人間のコミュニケーションへ信頼を寄せ、相互の平等な対話によって支えられた合理性の実現こそが真の秩序を生み出すとしました。
私は、この放送局がやがて私の手を離れて、本当の民主主義を謳歌する素晴らしい市民メディアのひとつとして独り歩きする日がくることを、願ってやみません。
その実現のために滅私の覚悟で努力してまいりますので、皆様からのご支援、ご指導をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2010年3月31日 藤原健一

 

参考文献:中岡成文「ハーバーマス―コミュニケーション行為 (現代思想の冒険者たちSelect)」講談社、2003年

東京市民テレビジョン放送の番組基準東京市民テレビジョン放送



制定 2010年6月18日


東京市民テレビジョン放送は、次の三つの目的を持つ。

一、インターネットによる動画閲覧の普及による配信者の社会的責任を重く受け止めつつ、多くの人に番組制作に能動的に参加していただく事に努め、番組制作の面白さ、表現することの素晴らしさを感じていただくとともに、「映像を批判的に読み解く」、「コミュニケーション力」、「表現力・想像力」、「身近な社会への感心」、「アサーティブにディスカッションやディベートをする」能力を育て、基本的人権の尊重など民主主義精神の徹底を図ること。

二、地域に密着した取材活動を行うことによって、住む街の素晴らしさを発見し、街に誇りを持ち、愛郷心を育むこと。

三、多くの人に「心身ともに健全な生活を送るための有益な情報」、「人へ優しく接することのできる心を育てる会話」、「未来に希望を持つことのできる新しい発見」、「人を愛することの喜びを伝える音楽」、「美しい自然を守ろうとする情緒を育てる紀行」、「日々の生活のやすらぎとなる劇」、「さまざまな社会問題の解決の緒となる調査」などの番組をお届けすること。

この三つの目的の実現のために、以下の基本的基準に基づき番組を編成する。

1 人権と名誉

1.すべての人の人権を守り、人格を尊重する。
2.人・団体の名誉を傷つけるような放送をしない。
3.職業・男女を差別的に取り扱わない。

2 人種と国際関係

1.人種や民族、国家を差別的に取り扱わない。
2.人種や民族、国家への偏見を促すような放送をしない。
3.国際交流を妨げる放送をしない。

3 宗教

1.不偏不党の立場を貫き、各宗派の立場を重んじ公正・公平に取り扱う。
2.信仰の自由を尊重する。

4 政治と経済

1.不偏不党の立場を貫き、公正・公平に取り扱う。
2.政治上の諸問題に対しての意見は慎重に取り扱う。
3.経済の発展につながる放送に努める。

5 運動と裁判

1.運動を取り扱う番組に際しては、一方の意見のみを取り上げることなく、公平に取り扱う。
2.現在、裁判にかかっている事件については、法的措置の妨げとなるような放送をしない。

6 社会

1.他者との関係により社会が成り立つことを否定するような放送をしない。
2.いかなる場合でも暴力行為を肯定しない。
3.行政機関・警察・消防・病院など、公共への協力に努める。

7 家庭

1.結婚は真面目に取り扱う。
2.不健全な男女関係を肯定的に取り扱わない。

8 児童・青少年

1.児童が感化されやすいことを考慮し、下品な言葉や犯罪行為などの真似を促す放送をしない。
2.道徳心を養い、感情や情緒を育む番組作りに努める。
3.研究・調査・学習意欲を高める番組作りに努める。
4.未成年者への喫煙・飲酒を促すような放送をしない。
5.性教育は真面目に取り扱う。

9 犯罪

1.犯罪行為を肯定するような放送をしない。
2.犯罪行為の詳細を描写し、真似させることを目的とした放送をしない。
3.犯罪者を魅力的に描写しない。
4.麻薬の使用は医療用を除き、これを肯定しない。

10 表現

1.基本的な表現は日本語の共通語とし、必要に応じて方言または他言語で表現する。
2.正しい言葉づかいと抑揚に努める。
3.著しく恐怖や不快を感じる表現をしない。
4.必要以上に残虐な表現をしたり、著しく人や動物が苦しむ姿を見せる放送をしない。
5.劇を除き、本来の趣旨と異なる暗示のために、サブリミナルやモンタージュなどの手法を用いない。
6.生活音、パトカーや救急車のサイレン音などを番組内で流す際は、事実の音と混同しないよう配慮する。

11 訂正

1.放送が事実と相違していることが明らかになったときは、すみやかに取り消し、または訂正する。

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